2015年度 第1回 資格更新・各ネットワーク研修会 (2015.06.28)の報告

開催日 2015年 6月28日
会場 日本大学文理学部 百周年記念館 国際会議場

資格更新研修会

開催時間 9:30 ~ 12:30
参加人数 180名

まず、東京都の特別支援教育施策と臨床発達心理士の活用について、市川先生にお話しいただきました。続いて、都立特別支援学校、都立高校で外部専門員・巡回相談として勤務する月本先生より、実際に学校で求められる仕事内容について具体例をいれてお話いただきました。来年度から新たに始まる特別支援教室に関しては、モデル地区として取り組んできた目黒区、北区から教員の立場から、実際の取り組みについてお話いただきました。最後に学校現場において、今後、臨床発達心理士に期待されること、合理的配慮をもってどのように取り組むか、について、参加者同士が話し合う時間を設けたことで、会員相互が考えを深めることができました。

発達臨床研究ネットワーク研修会

開催時間 14:00 ~ 15:30
参加人数 20名

今回、黒田先生からは、高機能自閉症スペクトラム障害成人の小集団認知行動療法による感情制御プログラムの効果を検証されたご研究を通して、臨床研究の進め方についてのお話を頂きました。臨床実践を研究するにあたり注意するべきこととして以下の5点をあげておられました。

①臨床実践の中での「なぜ?」「どうして?」を大切にする。 ②先行研究を調べることによって、自分の疑問点を確認し、研究方法のヒントを得る。 ③倫理の確認をする。(自分の施設等の倫理委員会を通す) ④チームで研究すると得意分野を活かし合うことができると同時に励ましあえる。 ⑤結果がでたら、なるべく早く論文にする。

臨床実践を研究するための具体的な足がかりを得られたご講演でした。

子育て・発達支援ネットワーク研修会

開催時間 14:00 ~ 15:30
参加人数 59名

小野里先生より、臨床発達心理士として、保育園や幼稚園でコンサルテーションを行う際の基本的な姿勢や視点等についてお話をいただいた。コンサルテーションの際、保育者に肯定的な態度で臨み、保育者の変化に注目すること、コンサルテーションの技法(ニーズの把握、保育環境のアセスメント、助言内容など)等を具体的にうかがうことができた。受講者からのアンケートも、共感できる内容であった、励まされる内容であった、とてもわかりやすい内容であったなど、好評であった。

特別支援教育ネットワーク研修会

開催時間 14:00 ~ 15:30
参加人数 47名

「情緒障害教育と特別支援教室導入の課題」をテーマに上山雅久先生(羽村市立松林小学校)にご講演いただいた。2016年度に導入される東京都の特別支援教室制度導入を前に、そのモデル事業の実際や導入に向けての課題、これまで情緒障害学級設置の歴史的背景や現状、通級指導教員の思いをご講演いただいた。参加者アンケートでは70%以上が「非常に満足」という評価をしており、コメントでも「通級の現状が理解できた」「特別支援教室の課題がわかった」「本音で語っていただけてよかった」という意見が多く得られた。