2023年度 第1回 資格更新研修会（2023年7月23日開催）の報告

臨床発達心理士会が新しい法人として発足して、東京支部にとって初めての研修会でした。そのため、多く方にご参加頂けるようオンライン開催と致しました。

今回の研修会では、「障害のある人への法的な支援〜罪に問われた障害のある人への支援を中心に」と題し、弁護士の山田恵太先生にお話し頂きました。

前半は、地域で暮らすこと自体、さまざまな法律が関わっていることを教えて頂きました。そして、障害のある、なしに関係なく、誰もが、さまざまなトラブル（法的問題）に出会うことがあるものの、障害のない人でも法律相談のハードルは高く、ましてや、障害のある人には、そのハードルはさらに高いことを、さらに、障害があることでトラブルに巻き込まれてしまうことがあることを具体的な事例を通してお話して頂きました。

後半は、刑事手続の中に、実はたくさんの障害のある人がいること、そして、これは、ご本人に障害があるからというよりも、社会の中で支援を受けることがなかったり、仮に支援があっても十分なものではなかったことにより、最終的に「犯罪」という局面に至ってしまうことがあることを伺いました。そして、弁護士として、そしてソーシャルワーカーとともに「東京ＴＳネット」という団体の活動を通してこの問題に取り組まれているお立場から、貴重な事例をお話して頂きました。

私たち臨床発達心理士の多くは、障害のある人に対し、発達、心理的側面から支援をさせて頂く機会が多いかと思います。山田先生のお話をお聞きして、支援に際して、ただ当事者の方の障害・特性だけに着目するのではなく、安心して地域で暮らせるよう、当事者の方ご本人を含めて、そして弁護士、ソーシャルワーカーなど他職種の方々と連携することの大切さを深く学びました。

参加者からの満足度も高く、大変有意義な研修会になりました。