日本臨床発達心理士会 東京・山梨支部
研修報告【レポート】

2024年度 子育て・発達支援ネットワーク研修会(2024年11月10日開催)の報告

日時 2024年11月10日(日)13:30~16:40
会場 エッサム神田ホール2号館
参加人数 53名
テーマ 児童発達支援センターにおける合理的配慮の実践
講師

伊藤 仁先生(うめだ・あけぼの学園 発達支援部)

今回の研修会は、『児童発達支援センターにおける合理的配慮の実践』というテーマで、うめだ・あけぼの学園発達支援部の伊藤仁先生に、対面で研修会をして頂きました。

前半は、合理的配慮が義務化になった経緯や定義、合理的配慮の提供として考えられること等基本的な考え方をご説明いただいた後、うめだ・あけぼの学園での取り組みについて写真等も使用しながら具体例を挙げて、お話しいただきました。

後半は仮想事例を通して、①専門機関として、通園施設での支援で何を行うか、②巡回相談員として、保育園の先生に対して、どのような助言や提案を行うか、をテーマに9つの班に分かれてグループワークを実施しました。

①については、丁寧なアセスメントの必要性や視覚支援、困った行動を未然に防ぐ環境設定、小集団での積み重ね、個別指導や個別対応を行う等の意見がありました。
②については、保育園の先生達の日ごろの関わりをしっかりほめた上で、更にこうしてみたらどうか?と提案をする、園の体制を考量したうえで人的調整を検討する、パーソナルスペースやプライベートゾーンについても伝えていく、療育と保育園の橋渡しをする、対象児だけでなく全体に焦点を当てて考える等の意見が出ました。参加者の皆さんそれぞれの経験を踏まえて活発な意見交換がなされていました。

参加者のアンケート結果も大変好評で、先生の講義については、「こどもの意思」「最善の利益」のための配慮について理解が出来た、具体的に支援の方法を示されて大変参考になった、通所支援だけでなく関係機関連携や保育所等訪問支援等いろいろな枠組みでの関わりについても聞けて良かった等たくさんの感想がありました。グループワークについても、色々な地域の様々な職種の方々から話が聞けて良かった、切り口がそれぞれ違うことで気づきがあった、話し合いをすることで気づかない視点に気づけたことが大きかった等の感想が出ていました。

また、通常級で配慮の必要な児童・生徒の合理的配慮の話も聞いてみたい、合理的配慮については、大学・一般企業でも困っている事例が多いのでそういった部分も聞ける機会が欲しい等今後の研修会についてのご意見を頂きました。