日本臨床発達心理士会 東京・山梨支部
研修報告【レポート】

2024年度第2回資格更新研修会(2022年1月11日開催)の報告

日程 2025年1月11日(土)13:00~16:10
会場 Zoom ミーティングによるオンライン研修
テーマ 子どもの権利を擁護する支援活動~子どもの人権救済の現場から~
講師

坪井 節子(坪井法律事務所代表・弁護士)

参加人数 66名

今回の研修会は「子どもの権利を擁護する支援活動」というテーマで,長年子どもの人権救済活動に携わり、日本で初めての子どもシェルター「カリヨン子どもの家」を設立した弁護士の坪井節子さんにご講義いただきました。

研修会の前半では,坪井さんが東京弁護士会の子どもの人権救済センターの活動で出会ってきた子どもたちの事例を紹介してくださり,子どもの権利条約が国連総会にて採択される時代から,いじめや不登校,虐待,不適切な指導などの子どもの人権侵害が深刻な問題であったことを教えていただきました。多くの子どもの声,子どもが見ている世界観をご紹介いただき,子どもの声を理解する視点を拡げることができました。

研修会の後半では,子どもの人権を保障するための子どものシェルターの設立経緯と役割,今後の課題についてご講義いただき,人権を侵害されてきた子どもとパートナーシップを築く際に,臨床発達心理士として欠かせない態度を深く考える機会となりました。

今回はオンラインの研修でしたが,坪井さんの子どもの権利保障に対する熱意が画面越しに伝わり,多くの受講者から感動や気づきを得られたこと,熱意に強く共感したことを感想としていただきました。坪井さんの子どもたちに寄り添い続ける姿から,支援の基本を心がけて子どもの声を聴き続けたい,子どもとの上下関係ではなくパートナーシップを築くための関わりを実践したい,様々な専門職とスクラムを組んで子どもの権利を保障したいなど,今後の臨床発達心理士としての心構えに役立ったという感想も多くいただきました。